離婚分割の手続きはどうなっているの?
2014年05月9日
<11>離婚分割の手続きはどうなっているの?(合意分割は特別な文書で行う)
・按分割合の決定が必要です
合意分割を行う場合、まず、最初に当事者間の合意が必要になってきますが、この合意は、単なる契約書や覚書ではダメで、公正証書又は公証人の認証をうけた私署証書でなければなりません。
当事者間において、按分分割(離婚分割後に分割を受ける側が持つ持分)について合意が成立しない場合は、家庭裁判所に審判や調停申立てを行って按分割合を定め、その審判所や調書の謄本(抄本)が、
按分割合を証する書類となります。
年金分割の請求は「標準報酬改定請求書」に必要な添付書類を添付して行います。提出先は最寄り(管轄)の年金事務所です。
ただし、改定請求をする対象が共済年金のみの場合は、それぞれの共済年金の窓口が請求先になります。
この場合の添付書類は、前述の①按分割合が記載された書類の他、②年金手帳(国民年金手帳)または
基礎年金番号通知、③戸籍謄本(抄本)または、住民票となります。
・事実婚の場合
事実上は夫婦の関係にあるものの、入籍をしていないケースでも離婚分割は認められます。
事実婚とは、①婚姻届が提出されていない夫婦、②内縁関係はあるのですが、戸籍上、法律婚の配偶者の
記載があり、婚姻届の提出ができない夫婦のことです。この場合は、第3号被保険者が提出されている期間についてが分割対象です。
法律婚と事実婚が重複する認められる場合、事実婚の第3号被保険期間の分割が優先することになります。
・3号分割を請求する場合とは
3号分割の請求ができるのは、平成20年5月以降に離婚・事実婚の解消をした場合です。
3号分割を請求する場合、離婚や事実婚の解消をした後に、標準報酬改定請求書に添付書類を付けて
管轄年金事務所に請求することになります。具体的な添付書類は、請求者ご本人の国民年金手帳や戸籍抄本(戸籍個人事項証明書)、住民票などです。
合意分割と3号分割を同時に請求したい場合は、合意分割改訂請求用の標準報酬改定請求書のみの提出で
請求できます。
・情報提供を求めることができる
離婚時に予め年金分割のための按分割合を決めるために必要な情報を把握しておきたい方は、日本年金機構(旧社会保険庁)に必要な情報の提供を請求することができます。実際には、管轄の年金事務所に問い合わせることになります。
情報提供は、当事者の双方または一方から請求可能で、当事者2人で請求した場合は、当事者双方に
それぞれ別に通知されます。また、妻(一方配偶者)が夫に内密で情報の提供を請求した場合は、
婚姻関係への影響を配慮し、請求していない夫(他方配偶者)には通知はされません。
ただ、婚姻関係が解消していると認められる場合の当事者の一方が、単独で請求する場合には、提供する
情報は、請求した本人だけでなく、他方の離婚当事者に対しても通知されます。提供される情報は、
分割対象となる期間、分割対象期間にかかる離婚当事者、それぞれの保険料納付記録、按分割合の範囲、
分割の影響額が分かる情報などです。
また、情報提供の請求をする際に、分割後の年金見込額の提供を求める場合には、分割後の年金見込額が
通知されます。