面接交渉

離婚の際に親権者とならなかった片方の親が、離婚後、子供と面会したりと、親子の交流をすることを面接交渉といい、その権利を面接交渉権といいます。

この面接交渉権とは民法等に明文されているわけではありませんが、判例や家庭裁判所の実務として認められています。
離婚前でも、妻が子供を連れて実家へ帰ってしまい、子供に会わせないようにしているなどの場合、夫は家庭裁判所に面接交渉の申し立てをできます。

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いつでも子供に会えるの?

まずは、父母の間の話し合いによって、面接交渉の可否や条件(月に何回、日時や場所、連絡方法等)を具体的かつ詳細に決めておく必要があります。また、その内容は書面にしておきましょう。

話し合いによる解決が難しい場合は、家庭裁判所へ面接交渉の調停申立をします。
調停が不成立になれば、手続きは審判に移行します。

また成立しても、面接交渉の際、子供の意思を無視して連れ去ろうとしたり、面会の際に復縁を迫ったり、金銭の無心をしてきた場合など、面接交渉の制限・停止をすることもあります。

面接交渉が認められない場合って?

面接交渉権は親であれば面会を認められるという権利ではありません。
子供に会うことが、その子供にとって有害であるなどの事情があると裁判官が判断した場合、面接交渉は認められません。

裁判官が判断する要素として下記のものがあげられます。

1. 子供に関する事柄
・子供の意見、子供の生活環境におよぼす影響
2. 親権者に関する事柄
・親権者の意見、親権者の養育監護に対する影響
3. 非親権者に関する事柄
・非親権者の問題点
4. 夫婦の関係に関する事柄
・別居・離婚に至った経緯、別居・離婚後の問題点

これらを考慮して判断されますが、子供がある程度の年齢に達している場合(特に15歳以上)や、子供が15歳未満であっても親権者の影響を受けずに自分の意見をしっかりと述べられる場合は、子供の意見を重視する傾向にあります。
子供が非親権者との面接交渉を拒否している場合は、面接交渉は認められません。

家庭裁判所へ調停の申立をしたけどその後は?

父母間での話し合いで解決できず、家庭裁判所へ調停申立をした場合、調停員を交えて面接交渉の可否、その条件(月に何回、日時や場所、連絡方法等)を具体的に話し合います。この話し合いが滞りなく行われるために、また審判に移行した時に適切な判断がされるために下記のことを行います。

1. 家庭裁判所調査官による調査
家庭裁判所における調停や審判において、調停委員・裁判官等の他に大きな役割を果たすのが、家庭裁判調査官です。
家庭裁判調査官は人間関係の諸科学(心理学等)に関する知識、技法、法律知識を活用して、当事者が面接交渉に対してどのような意見を持っているのか、面接交渉を認めることで子供や親権者にどのような影響を与えるかなどを調査します。
調査には年齢に合わせた方法をとり、子供の心身状態に十分な配慮をします。
調査した結果は、当事者を説得する際や、審判での面接交渉の可否やその条件等を判断する際に利用されます。
2. 試行的面接
裁判所内で家庭裁判所調査官立ち合いのもと、非親権者と子供がどのように接するかをテスト的に行い、面接交渉の際の親子の状態を観察することを試行的面接といいます。
親権者もその様子を確認することで、面接交渉に対する安心感につながり、調停の成立が期待できます。
ただし、この面接は通常1回のみ実施され、この時に親子間のコミュニケーションがうまくとれなかった場合は面接交渉が成立しない可能性もあるので、試行的面接を行うかどうかは慎重に考えるべきです。

調停で定められる面接交渉の内容は、基本的には月1回程度で2~3時間程度で直接面会という方法が多く取られます。
しかし、子供の年齢やその他の事情により、別の方法が取られることもあります。

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