慰謝料について

そもそも離婚の慰謝料とは?

慰謝料慰謝料とは、精神的な苦痛(=損害)を与えた人に対して請求する、金銭での埋め合わせ(=損害賠償)です。

離婚の場合は、不貞行為(浮気・不倫)や暴力行為(DV)など、婚姻関係が破綻する原因を作った側に対して請求を行います。

不倫相手や内縁相手にも請求できるのか?

両方とも請求することができます。 例えば、夫の不倫がきっかけとなり離婚に至った場合は、夫への請求はもちろんのこと、妻帯者と知りながら不倫をした相手側の女性に対しても、慰謝料を請求することができます(不真正連帯債務)。

ただし、不倫の前に、既に婚姻関係が破綻していた場合は、「不貞行為」を理由とした慰謝料の請求は認められません。

また、内縁関係にあった男女であっても、相手側の浮気により、その内縁関係が破綻してしまった場合 、慰謝料を請求することができます。(内縁の不当破棄)

慰謝料を請求する方法

離婚の9割は夫婦の話し合いによる協議離婚です。そのため、話し合いにより相手側が慰謝料の支払いに承諾すれば、後は念のため合意内容を離婚協議書や公正証書などの書面に残すことで請求することができます。

また、もし相手が不倫などを認めなかったり、慰謝料の金額面などで折り合いがつかない場合は、家庭裁判所に申し立てることで、調停や審判、訴訟によって解決を図ることができます。裁判となった場合は、不倫などの証拠や慰謝料の根拠を問われるため、証拠となる写真や書面、記録などを揃えておくようにしましょう。

専門家からのアドバイス

早く別れたいからと焦るあまり、慰謝料などの取り決めをほとんどせずに、または「慰謝料はいらないから」と相手に伝えて、離婚後に後悔される方がたまにいらっしゃいます。

時効前であれば離婚後も請求することはできますが、一旦別れてしまうとなかなか話し合いに応じてもらえなくなるため、慰謝料を請求するのであれば、必ず離婚前に行うようにしましょう。

このようなケースでは慰謝料は認められません

離婚の慰謝料は必ず認められる訳ではありません。不倫や暴力、悪意の遺棄など、「違法性」がある場合に、慰謝料の支払い義務が生じることとなります。

そのため、離婚原因として多い、性格の不一致や価値観の相違といったケースでは、「違法」とまでは言えず、また通常は双方に責任があることが多いため、慰謝料の請求が認められることはほとんどありません。

慰謝料が認められるケース・認められないケース

慰謝料が認められるケース

  • ・不貞行為(不倫や浮気)
  • ・配偶者に対する暴力行為(DV)※言葉の暴力も含む場合あり
  • ・悪意の遺棄(生活費を渡さない、同居を拒むなど、配偶者としての義務を果たさない)
  • ・性生活の相違(通常の性的交渉の拒否)

慰謝料が認められないケース

  • ・相手方に明確な離婚原因が存在しない
  • ・双方に離婚原因についての責任がある
  • ・性格の不一致や価値観の相違など、離婚原因に違法性がない

50万?500万?慰謝料の相場とは?

慰謝料自体はもともと精神的損害に対する償いですので、請求額はいくらでも構いません。また、裁判所を通じて算定される場合も、夫婦の個別の事情により左右されるため、「不倫の場合はいくら」というような明確な基準はありません。

ただし、算定にあたり考慮される要素はあります。

慰謝料の主な算定要素

  • ① 離婚原因に対する責任の程度(どれだけ落ち度があるかが大きな判断材料)
  • ② 請求する側の離婚原因に対する責任の有無(請求する側にも非があれば、その分減額される)
  • ③ 精神的苦痛の程度(苦痛が大きければ、より高額になる)
  • ④ 社会的地位や支払い能力(相手に資力があれば、より高額になる)
  • ⑤ 請求する側の収入要件など(専業主婦などで離婚により生活苦に陥りやすければ、扶養的な意味合いで請求できる)
  • ⑥ 財産分与や養育費の金額(これらの金額が高ければ、一般的に慰謝料は低くなる)

その他にも離婚に至る経緯や結婚生活の実態、子供の有無や親権など、あらゆる要素を考慮に入れて算定されます。

また、協議や調停、和解など、話し合いにより慰謝料を決める場合は、離婚願望の強さによっても金額が左右されると言えます。

慰謝料を請求する側が「早く別れたい」と強く願っている場合は、低額になりやすいですし、逆に支払う側が離婚の条件として、慰謝料では無く「解決金」という名目で一時金を支払う場合もあります。

過去の判例に基づく 慰謝料の相場

実際には、例えば年収が300万円〜700万円程度の一般的なサラリーマンの場合、慰謝料は100万円〜300万円程度が平均的で、500万円を超えるようなケースはかなり稀と言えるでしょう。

また、慰謝料と財産分与は法律上異なる性質の権利ですが、現実的には財産分与が慰謝料の性格を持合わせることもあり、家庭裁判所の統計でも合算して掲載されています。この統計によると、財産分与と慰謝料を合算した場合、200〜500万円程度が相場のようです。

専門家からのアドバイス

離婚の慰謝料の請求額に決まりはありませんが、あまりに高額だと話がこじれやすかったり、相手の支払い能力上無理があり、結局受け取れなかったりしてしまいます。

逆に、離婚の手続きや慰謝料に関する知識に欠けるあまり、本来もらえるはずの額を大きく下回るようなケースも見受けられます。

ご自身の権利をしっかり守りつつ、出来る限り穏便に、円満に離婚をされたい方は、離婚あんしんセンターまでご相談下さい。無料での電話相談も行っております。

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