慰謝料はどうやって請求すればよいのか
2014年05月9日
<12>慰謝料はどうやって請求すればよいのか
離婚で手にする財産として、財産分与の他に、慰謝料があります。
財産分与は、夫婦で築いた財産に対する貢献度によって分配されるので、離婚の原因を作ったほうが責任を問われ、取り分を減額されるようなことはありません。
これに対し、慰謝料は、相手から受けた精神的苦痛に対して支払われる金銭です。
一般的に、浮気や不倫などの不貞行為、それに暴行や虐待などが、慰謝料請求の対象となることが多いでしょう。離婚原因として「性格の不一致」のようなあいまいな理由で、慰謝料が発生することはまずないといえます。
そして、慰謝料と財産分与とは法律上は一応別のものとして規定されているので、両者をきちんと区別して確認しましょう。
調停調印などに「今後名目お如何ををとわず、財産上の請求を一切しない」という一筆を書き入れる際は
要注意です。確認せずに簡単にサインをしてしまったために、受け取れるべきものも受け取れなくなる
おそれがあります。
なお、慰謝料は民法上の不法行為に対して認められるもので、離婚後3年以内に請求しなければなりません。
慰謝料は精神的な苦痛に対して支払われるものですから、はっきりとした基準や相場はなく、
ケース・バイ・ケースで決まるものなのです。
財産分与と同様に、慰謝料の額の算定にあたっても結婚期間の長短は考慮されます。
が、しかしこれもケース・バイ・ケースで熟年離婚だと必ずしも慰謝料額が大きくなるとは限りません。
また慰謝料とは、離婚の直接的な原因をつくった側が、精神的損害を受けた相手に対して支払う損害賠償
ですが、損害を被った相手にも責めを負うべき点がああるならば過失相殺されるのが一般的です。
このような場合はまず、どちらが離婚原因の根本をつくったのかを探り、これによって相手が額にしてどの程度の損害を受けたかを調べます。こうして両者の過失を比較し、損害と相殺した上で、慰謝料の額が決定されます。
しかし、離婚の原因がお互いにあり、過失相殺の結果、どちらにも慰謝料を請求するような損害がないと
された場合は、慰謝料の問題はなくなります。慰謝料は、このように精神的な損害と過失を夫婦それぞれについて認定して決めるものなのです。