子どもの養育費について

2014年05月9日

<17>子どもの養育費について

 

・子ども1人につき5万円程度である

養育費は子どもが親に対して請求するもの 一般的に、親権者となって子どもをひきとる側が、相手に対して養育費を要求するという事例はよくありますが、離婚の際の子どもの養育費の支払については、定められて法律があるわけではありません。

民法上は親の扶養義務の他、「監護について必要な事項が、協議でまとまらないときは家庭裁判所が定める」という規定があるくらいで、養育費を決める特別の基準があるわけではありません。

 

養育費というのは、あくまで子どもの扶養のためのものです。離婚して親権もないのだからといって、

子どもの養育費の支払いを拒否したり、養育費の額を極端に少なくすることも認められません。

養育費の額は、基本的には養育する側にもそれなりに収入がある場合は、それも考慮に入れて決められます。これまでの例では、一般的に子ども一人に5万円前後といったところです。

 

養育費の不払い 養育費の支払いは、一般的には月払いであることが多く、期間も長期にわたるケースが

多いため、支払が滞る、支払ってくれないとうトラブルも目立ちます。養育費は債権ですから、もし不払いとなったら、一般の金銭債権の取り立てと同様の処置をとることが可能です。家事審判法と家事審判規則は、審判や調停で決定した内容について、履行勧告、履行命令、家庭裁判所への寄託、強制執行といった

養育費の不払いを確保する法的な手段を用意しています。養育費の不払いが続いていて内容証明郵便などで催促しても効果がない場合には、法的処置の利用を検討するのがよいでしょう。

なお、養育費は、子どもから父親に対する扶養料の支払いという形で請求することも可能です。

その場合は、親権者が子どもを代理して請求することになります。

 

事情によっては、養育費の額を増減できる 公正証書は公証人に内容を証明してもらった書類で、「契約を履行しない場合は強制執行を受けても異存はありません」といった一文が記載されている場合は裁判所を

通すことなく強制執行することができるという強い効力があります。何の理由もなく養育費を滞納し、

催促されても応じなかった場合は給料の差し押さえなどを受けても文句は言えません。

 

しかし、公正証書の内容を全く変更できないわけではありません。決められた養育費を変更することはそう簡単ではありませんが、それでもやむ得ない事情がある場合は、養育費の増減を請求することが可能です。

理由としては、以下のものがあげられます。

 

・入学金など進学にともなう学費がある場合

・ケガや病気で入院した場合

・受け取る側が病気や失職などで収入が低下した場合

 

こうした養育費お増減についても、あらかじめ両者の間で取り決めておくとよいでしょう。

公正証書を作成した以上、可能な限りはその内容を守るべきですが、その内容が客観的に見て現実的では

ない、と判断される場合は裁判所でも内容を再検討する必要性を認めています。

また、将来、養育費を定めたときには予想できなかった病気や失業といった事情が生じた場合は、まず

元妻に養育費の減額を申し入れてみてください。話し合いで折り合いがつかなければ調停を申し立てます。裁判所は、元の妻の収入や再婚の有無なども含めて検討し妥当な養育費の額を提示してくれます。

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