財産分与に税金はかかるのか
2014年05月9日
<6>財産分与に税金はかかるのか
分与した人に譲渡所得税がかかります。
[相談]
私と妻は結婚してからしばらく共稼ぎで、妻はOLをしていました。それぞれが懸命に働いたおかげで、
郊外に少しですが不動産を手に入れることができました。
ところが、色々な事情から、私たち夫婦は協議離婚することになり、購入していた私名義の不動産の一部は、妻に対して財産分与することになりました。
ただ、現在手持ちの現金が私には無いので、もし、このことで税金がかかるのであれば、何とか金策を
しなければなりません。どうなのでしょうか?
[回答]
財産分与は、婚姻中に夫婦が協力して作り上げた財産を、離婚の際に公平に分配するための制度です。
つまり、財産分与によって財産を取得するという事は、他人の財産を取得する売買や贈与とは根本的に
異なるのです。このように考えると、名義人である夫婦の一方が、他方に財産を分与する場合、譲渡所得税がかからないようにも思えます。
なぜなら、通常の売買同様、対価として代金を受け取るわけではなく、分与する側にはこれといって利益は生じないからです。
ところが、実際の税務と最高裁判所の見解では、財産分与の場合でも、課税はされるとされています。財産分与を規定しているのは民法であり、税金を規定しているのは
税法であって、その役割は異なっているのです。納税の準備は必要かと思われます。