協議離婚の手続きについて
2014年05月12日
協議離婚の手続きについて
取り決めした事は書面化しておきましょう
●離婚届を提出する協議離婚の場合
夫婦間で離婚の意思を確認した上で離婚届を作成し、役所へ提出します。
離婚届の用紙は役所で手に入ります。
また、届出をする際には戸籍謄本も必要になりますので、あらかじめ本籍地の役所から取り寄せておきましょう。
ちなみに、戸籍謄本は本人以外が入手するのはやっかいですので、できれば自分で請求するようにしましょう。もし海外に在住されている場合は、その国の日本の領事、大使、公使に届出すれば入手することができます。
子供がいる場合、離婚後に親権者になる方の氏名と、その親権に服する子供の氏名を記載します。
協議離婚の届出の際には証人が2人必要です。証人の条件は成人であることで、その方の生年月日、住所、本籍の記載、署名押印(認印でもよい)をします。
●役所の窓口では形式的なチェックだけで受理されます
役所の窓口に提出された離婚届けは、必要事項の記入漏れがないかのチェックだけで、審査はせずに
受理されます。
離婚届は郵送でも受け付けてもらえますが、届出人が郵送した後に亡くなり、その後に届いた場合でも
受理されます。この場合は死亡時に届出があったとみなされます。
●一方的に離婚届を出された場合
協議離婚は、必ず夫婦双方の離婚の意思がないといけません。
どちらか片方の意思だけでは、離婚することはできません。
例えば、離婚届に判を押して一度は離婚届を作成したが、やっぱり離婚はやめるということも可能です。
相手に「離婚する意思はない」と通告すれば、たとえ離婚届が受理され離婚が成立しても、
離婚無効の訴えや離婚無効確認の調停申立を家庭裁判所にすることができます。
ただし、離婚する意思はないと通告したことが訴訟で立証できないと敗訴になる可能性は高いので、
通告をあらかじめ何らかの形で立証できるようにしておく必要があります。
もしくは、相手が離婚届を提出する前に、「離婚届の不受理申出書」を先に役所へ出しておけば、
離婚届の受理はされません。
●協議離婚でも、取り決めした事は書面化
離婚する理由や双方の性格、または別れる時の状況にもよりますが、たとえお互いに納得し合って、
何の問題もなく協議離婚するとしても、取り決めしたことは必ず書面に残しておくべきです。
とくに金銭のからんだ問題、財産分与や養育費は要注意です。離婚届には親権者だけ記載すればよいことになっていますから、財産分与などについて、その場の流れで、口頭で適当に話して終わる方も多いですが、これはとても危険です。
離婚の後もお互いに、誠実な人間関係を続けていかれる方もいらっしゃいますが、
実際には、離婚後は距離ができてしまい全くの他人になって、口約束などうやむやになるケースが多いです。とくに支払う方が再婚し、新しい家族を養うのに精一杯で、別れた相手に対する金銭的なやりとりが
おざなりにされてしまう可能性もありえます。
ですので、離婚後にトラブルのもとになりそうな財産分与や養育費などの金銭的なことはもちろん、
子供に関することなどは、あらかじめ合意書のような形で書面として残しておきましょう。
そうすれば、万が一相手が取り決めに反する行動に出た場合、書面という証拠で裁判の際に自分の言い分を正当性を主張することができます。その書面を「公正証書」に残しておけば万全でしょう。
また金銭面でもめるようなことが起きても「金銭債務を履行しないときは、直ちに強制執行に服する」と
一文を入れておけば、強制執行によって財産の差し押さえが可能です。
また、財産分与や養育費などのトラブルにおいて合意書などの書面がない場合は、内容証明郵便を出すのも手です。
●合意書に残しておくべき事財産分与、慰謝料、子供の養育費など
金銭的な事については「どちらがいつまでに、どのような方法でいくら払うのか」を具体的に記載しましょう。
また、未成年の子供がいる場合、親権者はどちらにするか、親権者と監護者をわけるのか、
親権者だけが子供の養育をする場合、引き取らなかった方はどのように子供に会うのかなど、
細かく記載をするべきでしょう。