慰謝料の時効と未払い
離婚後に慰謝料の請求はできるか?
何らかの事情で離婚成立後に慰謝料を請求することになっても、離婚届の提出時より3年以内であれば、慰謝料の請求を行うことができます。
ただし、請求する権利はあったとしても、時間の経過につれ相手の気持ちが離れ、支払われなくなってしまうのが実情です。訴訟を起こし、強制的な手続きにより支払いを求めることもできますが、裁判は様々な面で労力を必要とするため、できる限り離婚前に慰謝料についての取り決めを行うようにしましょう。
注意!慰謝料の未払い割合はなんと50%
統計的には、約50%もの高い割合で慰謝料の支払いが途中で止まり、未払いとなってしまっています。この原因は、合意内容を単に個人の離婚協議書として記録に残しただけでは、証拠にはなるものの、法的強制執行力が無く、未払い請求の手続きが非常に煩雑となってしまうからです。
こうした予期されるトラブルを防ぐため、離婚をする際には、訴訟をせずに相手側の所得や財産を差し押さえることができる、強制執行認諾文付きの「公正証書」を作成することが大切です。
専門家からのアドバイス
夫婦の話し合いにより離婚をする場合(協議離婚)は、慰謝料を確実に受け取るため、支払い期間や金額、支払い方法などについて具体的に決めておくようにしましょう。その際のポイントとしては、支払い方法は「一括払い」とし、もしやむを得ず分割払いとなる場合にも、できる限り初回の支払い額を多めに設定することで、受け取り損ねるリスクを軽減することができます。
また、未払いの予防策として、離婚協議書を公正証書で作成すると同時に、不備がないよう、離婚の専門家に相談してみることをお勧めいたします。